ランニングシューズ 無敵
杵屋という足袋メーカーが出している足袋型シューズです。
私が普段練習する時は、40キロ以上走る場合とレース前を除いて、これを履いています。
このシューズはランニングフォームを矯正するためのもので、これを履くことで膝に爆弾を抱えている人の爆弾を取り除けるかもしれません。
ランニングする時の着地方法として、フォアフット・ミッドフット・ヒールストライクの3種類があり、最近の流行りはフォアフットです。
フォアフットとミッドフットのどちらが良いか語られることが少ないというか、ミッドフットは影が薄いように感じます。
フォアフット対ヒールストライクという分かりやすい図式が一般受けするので、ミッドフットは除け者にされている感じがしなくもありません。
で、フォアフットが効率の良いランニングフォームと言われており、フォアフットは正義という風潮があります。
なぜヒールストライクがダメなのかと言うと、踵から着地する場合、踵でブレーキがかかってしまうためです。
極端に脚を大きく前に出して踵から着地した場合、着地の衝撃が進行方向とは逆向きに加わるのが分かると思います。
極端な例でない場合でも、少しずつブレーキがかかってしまうため、非効率な動きになっているのです。
ただし、ヒールストライクが全てダメではないと言う人もいます。
着地位置が体の重心より前なのが問題であって、重心の真下で着地するのは問題ないという考え方です。
ようやく話を無敵シューズに戻すと、このシューズはソールが激薄です。
普通のシューズは、インソール・ミッドソール・アウトソールの三層構造となっています。
しかし、無敵はインソールとアウトソールしかなく、アウトソールは5ミリのゴムです。
この無敵シューズを履いてヒールストライクで走ると、着地時に踵が痛くてまともに走れません。
脚の裏にはアーチがあり、フォアフットやミッドフットでは、アーチが着地の衝撃を吸収してくれるのですが、ヒールストライクではアーチを使えず衝撃を吸収してくれないためです。
一般的な他のシューズであれば、シューズの衝撃吸収機能により痛みを感じませんが、無敵は衝撃吸収機能がないため、着地の衝撃をモロに感じてしまうのです。
無敵を履いてヒールストライクで走ると痛いので、身体が痛くない走り方を模索して、自然にフォアフットやミッドフットになるというものです。
このシューズは、履いたからといって、いきなりタイムが良くなるような魔法のシューズではありません。
むしろ、これを履いて走ると、シューズの反発や着地モーションをコントロールするガイドがないため、タイムが落ちるぐらいです。
それでも、自分の脚を鍛えて速くなりたいという人向けのシューズです。
シューズに走らされるのではなく、自分の脚で走りたいという、ちょっと自分に酔っているストイックな人か、シューズの機能も使うが走る土台として走り方を改善したい人向けのシューズです。
私は半分前者で、もう半分は変わった物が好きなので使ってます。
ドラマ「陸王」の影響で、手に入りにくい状況だったのですが、最近はその状況も緩和されてきています。
その割りには、私以外に履いている人を見たことがありません。まだ、ワラーチの方を見かけます。
Born To Run を読んで、裸足ランに興味はあるけれど、ファイブフィンガーズやワラーチは足に馴染まなかったという人は、試してみてはいかがでしょうか?
このシューズは普通のランニングシューズと違って、ペッタンコになります。
カバンに入れても邪魔にならないため、出張のお供に重宝してます。