蛙星商会

蛙星商会と命名していますが何も販売してません。走って作っての趣味ブログです。

40万キロ先を狙い撃つ

はやぶさ2が、地球に向けて1年以上かけて還ってくるという話題が少し前にあったのですが、最近、さらっととんでもない案がでてきました。

はやぶさ2は、持ち帰った玉手箱を月の高さから、オーストラリアの砂漠に向かって「落とす」計画があるというのだ。

いや、月の位置は地球の引力圏だけど、それでもそこから落とすって、どういう発想をしているのか。

はやぶさ2は、このまま使い捨てにはせずに、地球付近まで帰ってきた後、探索機として第二の人生を歩ませようとしているために、できるだけ地球に近づかせたくないらしい。
さすが、とことんまで労働力を使い尽くす株式会社ブラックジャパンです。

で、地球に近づき過ぎると、再び地球の引力圏を離れるのが大変なので、小惑星から採取した土が入っているであろうカプセルを月軌道辺りの高度から落としちゃえ、というものです。

地球の重心と落下点とはやぶさ2が一直線に並んだ状態でカプセルを落とせば、引力に引かれていい具合に落ちる気はするのですが、そう上手くいくのか、私には分かりません。


現在はオーストラリアと交渉中なのですが、そんなもん落とされる方はたまったもんじゃありません。
人が居ない場所を狙い打ちするのですが、そんなの出来るのかよ!と思わずにはいられません。
どうやって説得するつもりなのでしょうか。

おそらく、カプセルには姿勢制御するような機構は組み込まれておらず、落としたら後は何もできず、見守るだけとなります。
地球と月の間は40万キロあり、すでに距離感が現実離れしています。
これだけ距離があると、落とす時のほんの少しの誤差が地球に届く頃には、大きな差となり、砂漠どころかオーストラリア大陸を外れるなんてことも考えてられます。


安全、確実に成果を得るのが最重要なのかと思ったのですが、こういった冒険をする雰囲気が宇宙開発にはあるのかもしれません。
もしくは、40万キロから落とすだけでしょ、そんなの簡単ですよ、と思っているのかもしれません。

確かに日本のロケット技術には変態的なところがあり、固体燃料ロケットというコントロールさせにくいものを扱わせたら、ピカイチな能力があります。

そもそも、はやぶさはやぶさ2と2回連続で小惑星まで辿り着いた時点で、頭がおかしいぐらいの成功率です。
それに比べたら、月軌道からの精密射撃ぐらい簡単なのかもしれません。


カプセルをどうするにせよ、無事に帰ってきてほしいものです。